24時間換気システムとは
2022/11/07
24時間換気とは、簡潔に説明すれば『室内を1日中換気して、常に空気の入替が行われる仕組み』の事です。
2003年に建築基準法改正により、全ての建築物で24時間換気システムの設置が義務化されました。
換気回数の基準も設けられており、住宅なら「1時間当たり0.5回以上」が必要条件となっています。
これは、1時間換気した時、室内の空気半分以上が入れ替わる計算です。
24時間換気が義務化された背景には、近年の住宅における「高気密化」が深く関連しています。
高気密化によって、住宅の快適性は高まりましたが、一方で建材に使われる化学物質やダニ、ホコリなどに影響を受けやすくなりました。
それにともない、頭痛、めまい、のどの痛み、湿疹などを引き起こす「シックハウス症候群」という体調不良が懸念され、その予防策として
24時間換気が導入されたのです。
24時間換気システムによって建材、の化学物質やハウスダストの充満を防げるので、快適かつ健康的な暮らしを実現できるようになります。
それでは、24時間換気システム3種類あります。
性能も含めて説明していきます。
第一種換気
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第一種換気とは、給気口、排気口どちらにも換気扇を設置して、空気の入替を行う方法です。
機械制御による効率的な換気ができるので、24時間換気システムの中で最も空気の流れをコントロールしやすくなっています。
さらに、第一種換気なら「熱換気システム」が』使用可能です。室内外で温度差がある場合、室温に合わせて変換しながら外気を取り込めるので、
空調効率を下げることなく給排気できます。
第二種換気
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第二種換気とは、給気口のみ換気扇を設置して、空気の入替を行う方法です。
排気口は機械設備なしの自然換気になるので、空気を取り込む力のほうが強くなります。それにともない、室内の気圧が高い「正圧状態」を保つことができるのです。
正圧状態になると、室内の古い空気が新しい空気に押し出されて常時排出されるので、窓やドアを開け閉めしても汚染物質や菌が入りにくくなります。
衛生的に優れた環境をつくり、維持しやすいため、クリーンルームや食品工場などでよく採用されている方法です。
第三種換気
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第三種換気とは、換気口のみ換気扇を設置して、空気の入替を行う方法です。
給気口は機械設備なしの自然換気になるので第二種換気の真逆といえます。他の方法と違い、こちらはすべての部屋に給気口を設置しなければならないことが特徴的です。
第三種換気の場合、空気を排出する力の方が強いので、室内の気圧が低い「負圧状態」となります。
負圧状態によって湿気が溜まりにくい、第一種換気より導入コストを抑えられるといったメリットから、住宅で多く採用されている方法です。
換気扇との違いは?
換気という言葉を聞くと浴室、トイレ、キッチンにある換気扇を思いう浮かべる人も多いでしょう。
しかし、24時間換気システムは目的が大きく違いますので、確認しておきましょう。
まず、24時間換気システムは「常時換気」と呼ばれており、家全体をゆっくり時間をかけて換気しています。
換気扇は空気を入れ替える範囲が狭く「局所換気」と呼ばれています。
範囲は狭い物の、換気する力は強いので、短時間で周りの空気を入れ替えることができます。
そのため、24時間換気と換気扇を上手に併用すれば、用途に合わせた換気が効率的に行えるわけです。
住宅の種類を問わず、24時間換気システムは設置が義務付けられています。
特に小さなお子さんや高齢者の方がいる場合は、常時換気しているお家の方が安心ですよね。
24時間換気システムを活用して、家族が快適に過ごせるお家づくりを目指しましょう!